話題の美容液を買い、すすめられた成分を追加する。気づけば洗面台には化粧品が増えているのに、自分に何が必要なのかは分からない。
そんな美容迷子の方に伝えたいのは、まずスキンケアの全体像を持つことです。
私たちが提案するのは、紫外線から守る、汚れを落とす、必要な成分を取り入れる、保湿する。この4つの役割を軸に、自分のケアを整理する考え方です。
1.まずは、紫外線から肌を守る
美容液を選ぶ前に、見直したいのが日々の紫外線対策です。
日焼け止めは、生活に合った防御力と、使い続けられる使用感の両方が大切です。屋外では塗り直しを行い、帽子や衣服、日陰も組み合わせましょう。高いSPFの製品を選んでも、それだけで一日中守れるわけではありません。
2.肌にのせたものに合わせて、落とす
日焼け止めだけの日と、崩れにくいメイクまで使った日では、落とすものが違います。製品に記載された落とし方を確認し、その日の汚れに合う洗浄料を選びましょう。
私たちが大切にしているのは、必要な汚れを落としながら、洗いすぎやこすりすぎを避けること。落ちないからと強くこするのではなく、洗浄料や使い方を見直すことが先です。
3.必要な成分を、ABCから考える
化粧品には多くの成分があります。その中で、私たちがスキンケアを考える軸としているのが、ビタミンA・B・Cです。
ここでいうABCは、主に次の成分を指します。
- A:レチノール
- B:ナイアシンアミド
- C:ビタミンC
これらを肌悩みや肌との相性に合わせて取り入れる考え方を、私たちは「ABCメソッド」と呼んでいます。
A:レチノール
レチノールは、年齢に伴う肌の変化について研究されている成分です。例えば、高齢者の腕の皮膚に0.4%レチノールを24週間使用した比較試験では、細かいしわの改善が報告されています。ただし、これは特定の処方と条件で得られた結果です。
一方で、赤みや乾燥、皮むけなどが起こることもあります。初めて使う場合は製品の案内に従い、低い頻度から肌の様子を見ましょう。刺激を我慢して使い続ける必要はありません。妊娠中は使用を避けてください。
B:ナイアシンアミド
ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種です。肌のキメや色むら、細かいしわなど、複数の観点から研究されています。5%配合の製剤を用いた研究では、顔の左右で比較しながら12週間にわたって評価されています。
私たち自身も、スキンケアの中心として重視してきた成分です。ただし、研究で得られた結果を、そのまますべての配合製品や濃度に当てはめることはできません。
C:ビタミンC
ビタミンCも、紫外線による肌の変化についてヒトでの研究が行われている成分です。外用製剤の比較試験で、肌の状態の改善が報告されています。
製品にはビタミンCそのものを使うものや、誘導体を使うものがあります。同じ「ビタミンC配合」でも中身は一様ではないため、成分名だけでなく、処方や使い方まで確認することが大切です。
ABCを取り入れるときも、3つすべてを一度に使う必要はありません。濃度の高さだけで選ばず、一つずつ、自分の肌に合うかを確かめていきましょう。
4.保湿まで含めて、ケアを完成させる
美容成分に注目すると、保湿が後回しになることがあります。美容液を使っていても乾燥するなら、乳液やクリームなどで保湿を補いましょう。
軽い感触が好きなのか、しっとりした仕上がりが好きなのか。季節や肌の状態も見ながら、心地よく使えるものを選んでください。
肌にも、暮らしにも、無理なく続けられること
私たちがABCメソッドで伝えたいのは、化粧品選びに自分なりの軸を持つことです。
どんな目的で使うのか。肌に合っているのか。使い続けられる価格なのか。その視点があれば、新しい情報に触れるたびに、すべて買い替える必要はなくなります。
また、肌悩みのすべてを化粧品で解決できるわけではありません。必要に応じて皮膚科で相談することも、選択肢の一つです。
守る、落とす、必要な成分を取り入れる、保湿する。まずはこの4つから、自分のスキンケアを見直してみてください。